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鉛バッテリーは何で使えなくなるの?

車のバッテリーは2、3年で寿命といわれます。ひどい時には新品で買ったバッテリーが1月でだめになったなどという話しを聞いたりします。ダメになったってどういう事でしょう。車の起動用なら簡単な話しです。

充電してもセルがまわらない。まわったにしろウィンウィンと苦しげである。

単に放電し電圧が下がっているだけなら、補充電をすればまた元気よくセルが回ります。しかし、ある程度使い込んだバッテリーだと不思議なことに、充電して電圧は13V近くあるのに、セルが回りません。

不思議ですね。

鉛バッテリーの化学反応はこうなってます。

  +電極 −電極
放電 PbO2+H2SO4→PbSO4+H2O Pb+H2SO4→PbSO4+H2O
充電 PbSO4+H2O→PbO2+H2SO4 PbSO4+H2O→Pb+H2SO4

充電、放電で逆向きの反応です。これなら何年でも繰り返し使えそうです。

上の表のようにバッテリーが放電したときは、陽極、陰極ともに、表面をPbSO4(硫酸鉛 lead sulfate)がおおいます。

表面というと誤解されそうですが、実際は陽極は活性物質として二酸化鉛を練ったもの、陰極は海綿状鉛で両極とも細かくスになっていて電解液に接触する表面積を増やしています。

この硫酸鉛が問題で、放電後すぐに充電し、電解液に戻してあげればいいのですが、時間を置くと電極表面に結晶してしまい、充電しても元に戻らなくなるのです。放電して24時間で結晶化は始まるという研究者もいるそうです。

この現象をサルフェーションといい、バッテリーが使えなくなる一番の原因とされています。

硫酸鉛が白く結晶してしまいサルフェーションが起きると充電電圧をかけても反応しないのです。電気的には不導体となったのと同じことです。また電極板を被いますからバッテリーが小さくなったのと同じで容量が減りますし、内部抵抗も増えてしまうわけです。電気の通り道が塞がっていくイメージですね。サルフェーションにより使えなくなることを日本では閉塞が起きたなどというようです。

サルフェーションは新品のバッテリーを使い始めた製造し電解液を入れたときから徐々に始まり、使い始めて2、3年後にはバッテリーが使えなくなるほど成長してしまいます。新品のバッテリーでも深放電させて1ヶ月も放っておくと、もう使えなくなります。古いバッテリーで中の見えるものだと電極板の下部のほうに白い結晶がついているのが見えるでしょう。鉛バッテリーの使い方で一番悪いのは放電したままほおっておくことです。

逆に小電流での過充電はバッテリーの各セルの充電状態を平均化する均等充電の効果があります。バッテリーのメンテナンスでは半年に1度はこの均等充電を実施したほうがいいそうです。満充電でこれ以上は充電できない状態(14.5V以上)になると水が電気分解をおこしますので、水位と温度上昇に気をつけましょう。


電池の内部抵抗って?

普通の鉛バッテリーはフル充電で、0.01Ωの内部抵抗を持つといいます。いま12.6Vのバッテリーで126Wのヘッドランプを点灯したとすると流れる電流は、

126÷12.6=10A

0.01Ωの抵抗のある電池の中を10A流れるわけですから、電池の端子電圧は0.1V下がります。(実際は1.26+0.01の抵抗に12.6Vの電圧がかかり分圧で端子電圧もとめないといけないが、話しを簡単にしました)

では、サルフェーションが進み、内部抵抗が0.4Ωになったバッテリーから10A電流を流すとどうなるでしょうか。

0.4 X 10 =4V

10A流れると4Vも電圧が下がってしまいます。

セルを廻す場合、セルを起動して端子電圧が10Vに下がるぐらいなら使えるバッテリーといいます。セルに100A流れるとして2.6V下がる内部抵抗を求めてみると、

2.6 ÷ 100 = 0.026Ω となりますね。 0.03ぐらいが限界でしょうか?

この辺は、実物の車でセルを廻してみれば使えるか使えないか一発で判るわけですが、たとえ電圧が出ているバッテリーでも、内部抵抗が高い→電流を流す→電圧落ちる→負荷抵抗は変わらないので電流が流れない→回らないセル・モーター、の関係は判っていただけたと思います。

これは健康なバッテリーで残存容量が70-50%ぐらいまで単純に放電している場合にも起きます。何度もセルを回すと回りにくくなりますね。最初は細孔中の電解液の硫酸だけが部分的に放電し濃度が下がったためで時間をおけばセルは回りますが、放電していけばいずれ回らなくなります。

バッテリーの起電力や内部抵抗というのは電気に置き換えた化学反応なわけで、単純に考えると50%容量まで電力を使ったバッテリーの電極は50%硫酸鉛におおわれているわけです。電圧的には満充電で12.7V、容量の50%でも12.4Vで大して変わらないわけですが、電極板がおおわれているため大電流が流せない。この場合は充電すると元にもどりますが、現象としてはサルフェーションが起きているバッテリーと同じことです。


サルフェーションを回復する方法は?

●バッテリ添加剤や薬品

希硫酸
 一発で電圧は上がるが内部抵抗は変わらないので電圧が上がったぶん一時的にわずかに効くだけだし、サルフェーションはそのまま酷くなっていきます。
昔は希硫酸はどこの車用品屋でも置いてあったのですが、今はないな〜。

有機ゲルマニウム  
 原理不明、説明によると硫酸鉛に付着して電気を流れやすくするらしい

炭素微粒子水溶液  
 原理不明、同上

EDTA 
アメリカのサイトで紹介されたもので、EDTAは金属を吸着する
キレート剤で、食品添加物にも使われるといいます。鉛バッテリの工場でも組み立て前にこれで電極を洗浄するそうです。これを使って硫酸鉛の結晶を除去できたというホームパワーマガジンの英文記事です。

最初はあまり興味なかったのですが今回読んで見たら、BBSのほうでは車バッテリーの回復に使ったという例もあるようですが、米国でディープサイクルバッテリーが再生できるとEDTAの販売をしているこの英文ページでは、(9)で「ふつうは車のバッテリーは電極板が薄く化学も違うので使えない」となってますね。異なった化学反応? デープサイクルと車のはどこが違うのだろう?  その下のリンクは車やバイクバッテリーでのEDTA使用の話しなのですが。
キレート剤の説明では封鎖する金属の量と投入するキレート剤の量を合わせるとなってますから。使用量を間違え大量に入れると活性物質や電極板そのものを除去してしまうってことでしょうか? 笑

その他
国内に化学変化でサルフェーションを除去する
SRS技術というの見つけました。いったいどんな薬品なのだろうか? EDTA?
中古バッテリーを1.5年保証で売っていらっしゃいますし、硫酸鉛結晶を薬品で除去し新たに希硫酸を入れるのでも十分実用になるのが判りますね。

手早くできそうでよいのですが、個人でやる場合は廃液などの処理はどうなんでしょうか。

 

●電気的な方法

パルス
パルスで硫酸鉛の結晶を分子レベルで
弾き飛ばす
充電はするが弱ったバッテリーの回復と新品からのサルフェーションの防止。

パルスにもいろいろあり、クーパーさんのものはスパイクパルスを瞬間的にかけることになります。元になった理論によるとこのパルスの衝撃でバッテリー内の分子に2−6MHzで共振がおき、それが結晶化した硫酸鉛を緩めるそうです。そのためパルスの立ちあがりが重要でダイオードの復帰時間やコイルの直流抵抗、バッテリー端子までの直流抵抗の小さいことが重要とのことですが、トンデモ理論風だしよくわからない部分です。分子のエネルギーとか分子の結合とかが関係するらしいですね。詳しいかた教えてください。^ ^;;;

気になるのは満充電からパルスだけかけて容量を少しづつ消費している状態でのパルスの効果です。

パルスによる回復では、満充電後パルスをかけ続け何日かして電圧が落ちたら補充電、それを繰り返し容量の回復をするのが一番いいという人もいるので効果はあるのだと思います。このへんはいろいろ意見があってはっきりしません。

これだと微小に放電して正常に硫酸鉛が発生、その一部と古くからのサルフェーションをパルスで回復の繰り返しで、足踏みしているだけのような気もします。クーパーさんは満充電でトリクル充電しながらのパルス、私は今のところ特にサルフェーションがひどく閉塞したものは放電後小電流で充電しながらパルスをかけるのが回復にはいいのではないかと思ってます。

もっともパルスがなぜ効くのかというのは、化学反応を起こす正常な電極板は電圧をうけ電子の移動など比較的ゆっくりと変化を起こす(充電には反応時間が必要)のだが、サルフェーションを起こした部分は結晶なのでパルスの最初の瞬間的な立ちあがりの電圧を受けその結晶表面が緩む。それがパルスの効き目だという説明です。

つまり普通に充電している時は電極板が電解液と接触している正常な部分(ここも硫酸鉛となっている)にのみ直流電流が流れサルフェーションが起きてコーティングされた部分には流れない。

しかし立ちあがりの早いパルスの場合は反応のにぶい正常な電極板(電気的には大きなインダクタンスをもっているのと同じ)に流れこめないので普通の直流充電では抵抗が大きいため電流が流れないサルフェーション部分にも瞬間的に加圧されるということです。

これはパルスがかかる瞬間のことですが、自然に電子がサルフェーションのある場所を探し出して隅々まで掃除することになるそうです。

これならば充電なしでバッテリーから電源をとってパルスをかけていても効果はあるはずなのですが、よくわからない部分です。

充電もできないほど、サルフェーションが進んで硫酸鉛の白い結晶が電極を被ったものは、これだけでは回復が難しいか時間がかかるようです。たとえば交換して一、二年放置して、自然な内部放電で端子電圧も4Vぐらいになってしまったものなど充電器につないで何日かパルスをかけていてもわずかしか充電せず、目だった変化がありません。内部抵抗が多すぎてパルス電流も流れないからか? それとも1ヶ月とか長期間やると無理なく回復してくるのでしょうか? 無理なくはうれしいが、長期間はうれしくない。

定電流充電
0.05C程度の電流で、サルフェーションを起こしたため普通では充電も受け付けない死んだバッテリーに無理やり電流を流す(流れるだけ電圧をかける)。充電後、放電、また定電流充電を繰り返すことにより回復をはかる。
パルスと併用すると効果的? 

パルスだけの効果、定電流充電での充放電だけの効果、併用による効果など、バッテリーの寿命や回復の効率とともにもう少し解明できればと思います。みなさまのご協力をおねがいします。

●物理的な方法 03/06/20追加

掲示板で紹介されていた方法で、電解液を抜き、電極を水洗いし、電解液のゴミを沈殿させるかフィルターで漉して、戻すというものです。

一見過激ですが、バッテリーのメカニズムにかなっていると思います。

この方法自体はかなり昔からあったらしく、使えなくなったバッテリーの電解液を出してバッテリー内部を熱湯で洗ってやりまた電解液を戻すという回復法を読んだ記憶があります。

お湯や水でサルフェーションが溶けるかというと、たぶんそれは無理で溶けるなら電解液に溶けているはずです。熱湯ならサルフェーションごと電極板を一部でも一皮剥いてやる効果があるかもしれないなとは思いますが、どうなんだろ?

ではなぜ効くのかというのを考えてみます。

バッテリーが傷んでくるとサルフェーションが起きる前に自己放電が多くなり、車に乗らない間隔が今まで大丈夫だった期間でも、容量を自己放電で消費していてセルが廻らない。充電すると元に戻るがまた乗らないと放電してセルが廻らない。これを繰りかえしていると放電したままの期間が長くなりサルフェーションが急成長し最後には充電してもセルが廻らない閉塞状態になるということだと思います。

普通は車の電子機器、時計などの暗電流がこのバッテリー上がりの原因と言われます。たしかにそれも原因となるでしょうが、むしろ自己放電の増加こそが主な原因でバッテリーが弱る(補充電が必要となる)というのは自己放電増加のことで、容量が減る使えなくなる(補充電してもだめ)というのがサルフェーションと別けて考えたほうがいいようです。

自己放電ですが、放電しているということは両方の電極板の間にわずかな電路ができているということで、その電路は崩壊した電極板の滓が電極板に付着していたり電解液中に漂うことにより作られてしまうということだと思います。勝手に思ってるだけですが、ほかに思いつかない。笑

電極板を水洗いし電解液を漉すと、自己放電の原因が取り除かれ自己放電の量が減りまた使えるバッテリーになるということなんですね。

このホームページのやり方をみると、水洗い後充電されてますから、電極板上には硫酸鉛があり充電が効いたということです。つまり電極板そのものが剥けるとかはないのだと思います。電極板を剥いてしまい硫酸鉛がないと充電しないはずですし、一皮剥けて活性物質の酸化鉛が剥きだしになっているとすると、電解液の希硫酸を戻すだけで電圧もでるはずです。

とすると、水洗いは充電時でも放電時でもよく、これは単に導電性の滓とり、汚れ落し、と考えればいいのかと思います。

もっとも電極板は充電時は膨らみ、放電時は縮小しますから、放電時の状態で洗ったほうが水の通りがよく効率がいいかもしれないです。この辺は何ともいえませんが、このホームページで充電したら液面が上昇したというのはこれが原因です。

たぶんサルフェーションが起きてしまったバッテリーを洗っても使えるようにはならないが、上がり気味のバッテリーに早めに対処すると効果があり、逆にサルフェーションをパルスなどで除去するだけでは、やはりバッテリー上がりの症状は改善されずだんだん酷くなり、いずれまたサルフェーションが起きてしまうということなのでしょう。組合せると完璧かも。笑

水道水で水洗いされてますが、ミネラル分が多い場合は心配なので精製水を買われて洗ったほうがいいかもしれないです。

むしろ洗浄水の廃棄を考えたら、出した電解液で洗ったらいいようですが、これは危険です。電解液を抜くときも静かに抜くほうがいい。水なら起電力はないが電解液だと起電力があり電極板を振ってショートしたらまずいです。やはり水洗いしかないですね。でかいバッテリーだとボブサップにでも手伝ってもらわないと大変ですが。笑

セルを水洗いするとして洗った後の廃液はごく薄い硫酸のはずですから、重曹または苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)で中和して捨てるぐらいのことはしたいです。漉した滓と同様に鉛が混じってるはずで、捨てるのも問題だが、捨てるほかないだろうな〜。


ほんとに回復するの〜?

パルス機器を販売されている方は、みなさん回復すると申されてますね。「パルス サルフェーション」で検索してみてください。^ ^;

私も実際にバイクバッテリーを回復しました。自分の1つと友人の密閉型1つ(密閉型のほうが回復が早い)、あとはこのページで発表するだけのために拾ってきたバッテリーで現在、回復実験中で写真なども撮ってます。ほかにもこんな研究ページもあります。だれがやられても弱った程度のバッテリーなら、パルスだけでうまくいくと思います。

現在使用していない放置バッテリーでも端子電圧を当ってみて11V以上あるものなら、普通に充電してパルスをかけてみればいいようです。クーパーさんのサイトや市販のパルサーで回復が可能といっているのもこのようなバッテリーが対象のようです。

廃棄され長期間たったものだと、端子電圧が4−6V程度に落ち込んでいたりしますし充電器にも反応しません。このようなバッテリーも20V程度の充電電圧をかけて小電流で充電してやると反応するようになります。

しかし、死んだバッテリーや弱ったバッテリーがすべて復活するわけではありません。

回復できないバッテリーとして、

他にもありそうな気がしますが、とりあえずこれだけです。

どのぐらい回復するのか

試したのは数個だけですが、私の印象としてはどれも程度の違いはあるが現状よりは回復します。しかし使用期間が長かったものは使っていて電圧もでていているのに、サルフェーションが除去できても容量の回復は少ない。使用期間が短くて放置され電圧も出ないほど閉塞したものでも、元の状態がよければ回復も大きい。結局はそのバッテリーの電極板の状態までの回復だろうという何とも当たり前の結論です。

使えないバッテリーは電極板が良かろうが悪かろうが、セルが回らない容量が少ないで状態は同じなのですが、その中にもいろいろ違いがあるということです。

回復が望めるバッテリーとしては、ケースが透明でないと見えないですが底に沈殿物が少ないものになるかと思います。そのほかにも、市販パルサーのページにいろいろ書いてありますので読んでみてください。

結局は試してみなければ判らないということかな。 (^ ^;;;


他の二次電池にも使えるの?

個人的に試したわけではないのですが、ニカドパックの回復にも使えると報告があります。トイガンやラジコンなどで大容量のが使われているようですね。

問題は電池パックの電圧で12Vぐらいなら問題ないのですが、低い電圧だとFETが駆動できるかどうか問題となります。

最近のMOSFETはSG電圧が4-5V程度で駆動できるものもありますから6Vバッテリーでも大丈夫と思いますが、問題は555にかかる電圧ですね。555そのものは3V以上あれば動きますが出力電圧は555への電源電圧の+−ですから、これがFETの駆動電圧以上ないとONしません。

高いほうがどのくらいの電圧まで使えるかというと、試作した回路では17Vぐらいです。これは単に555タイマーの最大定格が15Vなのでそれを超えると壊れるからです。ツェナーをいれたり電源マイナス側に入っている抵抗を増やせばもう少し高い電圧までOKとなります。24Vバッテリーだと回路のマイナス側に3端子レギュレーターを入れるとその作動電圧以下では使えなくなりますが、24Vバッテリでも使えます。

回復するバッテリーから電源をとるからいろいろ問題なので、むしろ「パルサーの改造」のページに載せてある1000uHのコイルをはぶいた外部電源を使うもののほうが使いやすいかも。パルスのみですが、充電しているので長期間かけていると過充電も考えられますので注意が必要。

もっともRC競技ではいかに過充電して容量以上使うか知恵を絞っているようです。こっちのほうに応用できるかもしれない。笑

回復実験

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